◇粃糠性脱毛症

頭皮には沢山の皮脂腺がありますが、必要以上に頭皮が脂でベトつくと、頭皮が痒くなり炎症を起こしてしまいます。

原因は脂漏による皮膚炎の角質増殖と考えられ、そうした事から脂漏性脱毛症ともいわれています。

また米を精米する際に出る糠（ぬか）をフケにたとえ粃糠（ひこう）性脱毛症ともいいます。

◇男性型脱毛症

前頭部から頭頂部にかけて徐々に脱毛するケースと、逆に頭上部から前頭部にかけて脱毛するケースがあります。
早い人では10代の後半から脱毛が始まる事もありますが、中年期に入り急に脱毛し始める事もあります。

脱毛の初期は比較的長い髪が抜けますが、進行すると細く短い抜け毛が目立ち始めます。

男性型脱毛症は「若年性脱毛症」「壮年性脱毛症」「男性ハゲ」「若ハゲ」ともいいます。
また女性でも稀ではありますが男性のように脱毛する事があります。

男性型脱毛症の特徴はいくら進行しても側頭部や後頭部の髪は残ります。これは前頭部と頭上部は男性ホルモンの影響を受ける為です。

血液中の男性ホルモン（テストステロン）は毛乳頭に取り込まれると、5αリクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン（ＤＨＴ）という物質に変わります。

男性型脱毛症の主な原因はこのＤＨＴだといわれています。

毛は毛母細胞が分裂を繰り返し作られますが、毛母細胞に発毛を促しているのが毛乳頭です。
ＤＨＴは毛乳頭が発する発毛促進信号を弱めてしまうために脱毛が起こると考えられています。

◇ヘアサイクル

髪は一生伸び続けるわけではなく毛髪一本一本にも寿命があります。
但し抜けた後には新しい毛が必ず生えてきますが、この抜けたり生えたりする事をヘアサイクル（毛周期）といいます。

男性で約3年～5年、女性で約4年～6年が平均的なサイクルといわれています。

ヘアサイクルは細胞分裂を繰り返し成長する時期を「成長期」、成長を停止していく時期を「退行期」、毛髪が成長を停止し脱落する時期を「休止期」と呼んでいます。

普段シャンプーやブラッシングなどで自然に抜ける落ちる髪はこの休止期にあたる髪です。

自然に抜ける本数は、一日平均50本～80本程度です。

頭髪の成長期の毛は全体の約85％を占め、退行期は1％、休止期は14％程度の割合で成り立っています。

◇毛幹の構造

(1)毛小皮（キューティクル）外側部分
外側の毛小皮は、硬い鱗状のもので何枚も重なり合ってできています。主成分はタンパク質で、ブラッシングなど外部からの刺激から毛を守る働きをしています。

(2)毛皮質（コルテックス）中間部分
繊維状のタンパク質が主な成分です。一本の毛には10数万本の繊維が集まり、螺旋状にからまり合っています。この量が多いと毛は太く、少ないと細くなります。主にこの部分に含まれているメラニン顆粒によって、髪の色が決まります。

(3)毛髄質（メデュラ）中心部分
主成分はやわらかなタンパク質と脂質からできています。役割は保温とみる説が有力ですが、人によっては毛髄質の無い毛もありはっきりと分かっていません。

◇毛髪の構造

毛髪とは「体毛と頭髪」の事をいいます。

普通、「ハゲ」というと頭髪のことを言いますが、私達の体には120万～150万本の毛が生えています。

そして、成人の頭髪は10万～12万本程度生えてるといわれています。

以外と知られていない毛髪についてお話します。

毛髪は皮膚より上に出ている部分を①「毛幹」、皮膚より下に潜っている部分を②「毛根」といいます。

毛幹は普段シャンプーをしたりドライヤーをあてたり、パーマをかけたりしていますが、この細胞はすでに死んだタンパク質でできています。

毛髪の生きている部分は毛根の先端部分で、丸みをもった④「毛球」と呼ばれている部分です。

毛球は⑤「毛乳頭」という母親の乳首に似た部分で、それをくわえ込むように栄養を吸収しています。

そのくわえている口の部分を⑥「毛母細胞」といい、毛乳頭に集まる毛細血管から栄養を吸収しています。

そして私たちが気持ち良く寝ている時も、活発に細胞分裂を繰り返し毛を上に突き上げ毛髪をつくっています。