◇糖尿病と歯周病

歯ぐきから出血が止まらない。
朝起きると口元が乾ききっている。
鏡を見ると出血した血が唇についている。

こんな状態が長く続いていた。

薬用ハミガキに替えても磨く回数を増やしても一向に改善されない。

元々リンゴを噛んでも出血をしていたが、今では歯磨きがをするだけで洗面台が赤く染まるほど出血する。
口をすぼめ唾を舌で吸い込むようにすると血の味がするほどだ。

「血があり余っているのかもしれない？」いや、ここまでくるととても正常じゃない事は想像がつく。

ある日家族に口臭を指摘される。
今思えば最後の警告！だったのかもしれない。
私は不安を感じつつも全ては「酒漬け、タバコ漬け」のせいだと高をくくっていた。

これが入院する二年ほど前の変化だった。

歯周病とは歯肉炎、歯周炎の総称で、歯と歯ぐきの間から「歯周病菌」が入り、歯ぐきや歯の周りの組織を破壊していく病気。
歯周病が進行すると「歯周病菌」や「膿（うみ）」が唾液に混じり、肺や他の臓器に侵入して、様々な病気の原因を作るらしい。

ということは私の場合も歯周病が原因だったのだろうか？！

胸に激痛が走り呼吸ができず、病院に運び込まれ肺炎(膿胸）とわかった。

先生の話だと「免疫力の低下」から「感染症」起したとの事。
また血液検査で「糖尿病」である事がわかったが、こうした事が原因だとも・・・・。
しかし、どのような菌に感染したのかは最後まで判らなかった。

入院中は酸素マスクは外せず点滴の毎日。
肺に溜まった膿（うみ）は、注射針のような物で抜き取る事もできるらしいのだが場所が悪く断念。
入院の間はこの点滴（抗生物質）による治療一本だった。

体は少しづつ回復し点滴を始めてから二週間程たった頃、体に大きな変化が現れてきました。

それは胸から始まり数日をかけ、凹凸のない赤い小さな斑点が全身に出てきたのです。
ジンマシンであれば痒みを伴うはずですが痛みも痒みもありません。

そして、驚きはあれほど歯ぐきから出血をしていた血が止まり、口臭が全くなくなったのです。

それと糖尿病患者にみられる症状に「陰部の痒み」があります。
私も例外でなく、入院前はとても痒く軟膏を手放せなかったのがピタリと止まってしまったのです。

この事を先生に話すと簡単に聞き流されてしまいました。
「あっそう」という感じです。
私にとってはＢＩＧニュースだったのですが・・・・・。

そこで私なりに調べてみると、糖尿病患者の多くの人に歯周病がみられ、また高い確率で歯周病になりやすい体質だとわかりました。
ただ何故そうなのか因果関係は解かっていないとの事です。

確かに糖尿病は生活習慣病です。
特に食生活の乱れを考えると「歯周病」になりやすいというのもうなずけます。

歯周病の３０代での有病者率は８割ともいわれています。
ちょうど糖尿病予備軍が増える年代です。

「歯周病が先か糖尿病が先か」は判りませんが、糖尿病と診断されてからでは遅すぎます。
何故なら糖尿病は、一生付き合っていかなければならない病気だからです。

私がかつてそうだったように「たかが歯ぐきの出血」等とあなどらないで下さい。

こうした変化は体への警告だと思って早めの治療を心がけると共に、糖尿病に限らず、健康にもっと関心を持って欲しいと思うこの頃です。

■こんな方は要注意！
1.冷たいものが歯にしみる
2.歯を磨くと歯ぐきから血が出る
3.口臭を指摘される
4.朝起きると口の中が乾燥している
5.朝起きると口の中が粘つく

※膿胸（のうきょう）胸膜腔に膿(うみ)がたまった状態。
胸痛・呼吸困難・発熱・痰・寝汗などの症状がみられる。